「日本のInstagramユーザー数は何人?」という質問は、シンプルなようで実務では少し注意が必要です。理由は、データの出典によって「ユーザー数」の定義が異なるからです。
たとえば、Meta(Instagram)の公式発表では「月間アクティブアカウント数(MAU)」として数値が出ます。一方で、近年のレポートでは「広告ツールに基づく推計(広告で到達できるオーディエンス規模)」が用いられることがあります。どちらも有用ですが、同じ“ユーザー数”として混ぜてしまうと、比較や判断を誤りやすくなります。
この記事では、信頼できる一次情報・公的に確認できる情報を中心に、Instagramの国内規模の見方と、他SNSとの比較のコツを整理します。
Contents
1. Instagramの国内ユーザー数:まず押さえるべき「確定情報」
Meta(旧Facebook Japan)は、2019年6月に「国内の月間アクティブアカウント数が3,300万を突破(2019年3月時点)」と発表しています。
これが、国内のInstagram規模を語るうえで最も引用しやすい“公式の確定点”です。
この発表では、国内の利用者構成や、ストーリーズ利用に関するデータも併せて紹介されており、当時すでに日本国内でInstagramが日常的に使われていることが示されています。
2. 「最新の規模感」を見るなら:広告ツール推計(到達規模)が実務で役に立つ
近年、国別のMAUが毎年必ず公式発表されるとは限りません。そこで実務上よく使われるのが、Metaの広告ツールが示す「広告到達(推定オーディエンス規模)」です。
DataReportal(Kepios)の「Digital 2025: Japan」では、Metaの広告ツールに基づき、
2025年初頭時点でInstagramが日本で約5,750万人に到達し得る(広告到達)と記載されています。
同レポートは、この広告到達規模が日本の総人口に対して**約46.5%**に相当すると示しています。
ここで重要なのは、広告到達(推計)は「広告でリーチできる可能性がある規模」であり、公式のMAUと同義ではない点です。とはいえ、「企業がInstagramでどれくらいの市場に接触できる可能性があるか」を掴むには有用です。
3. 他SNSの規模比較:比較は“同じ物差し”で行うのが安全
SNS同士の比較でありがちな失敗は、定義の違う数値を並べてしまうことです。たとえば、あるSNSは「MAU」、別のSNSは「広告到達」、別のSNSは「登録者数」…となると、公平な比較になりません。
比較の基本は、できるだけ同じ性質の指標で揃えることです。DataReportalは複数プラットフォームの広告到達推計を整理しており、SNS市場の“規模感”の把握に役立ちます。また、生活者インフラに近いSNSとしてLINEは外せません。LINEヤフーの媒体資料では、**LINEの国内月間アクティブユーザー数が9,800万人(2025年3月末時点)**と明記されています。
LINEは企業活用において「集客」よりも「関係維持・再来・リピート・問い合わせ対応」の領域で強いことが多く、Instagramとは役割が違うため、単純な人数比較だけでなく“得意領域”で捉えるのが実務的です。
4. 「推移」の見方:確定点(公式MAU)+現状把握(広告到達推計)の二段読みが堅い
Instagramの国内規模の推移を語るときは、次の二段構えが安全です。
- 確定点(公式発表):2019年3月時点で国内MAU 3,300万
- 現状把握(広告到達推計):2025年初頭で広告到達 約5,750万
“推移”という言葉だけが先行すると、推定値が断定のように受け取られるリスクがあります。公開記事としては、**「公式発表の確定点」と「広告ツール推計の参考値」**を分けて提示するのが、信頼性の面でも最適です。
5. 企業担当者が「ユーザー数比較」から得るべき結論
SNSのユーザー数比較は、勝ち負けを決めるためではなく、次の意思決定に役立てるために行うものです。
- 自社のターゲットは、そのSNS上に十分いるか
- 商品・サービスの検討プロセスに、そのSNSが合うか
- 投稿(オーガニック)だけでなく、広告やHP導線と統合しやすいか
Instagramは特に、視覚情報で価値が伝わりやすい商材や、比較検討が起きる領域で強みが出やすい傾向があります。一方、LINEは“既存接点の維持”が得意です。役割の違いを踏まえて設計すると、SNS選定の精度が上がります。
まとめ
- Instagram国内規模の“確定点”は、公式発表の2019年3月時点 MAU 3,300万
- 現状の“規模感”を見る補助線として、DataReportalが示す2025年初頭の広告到達 約5,750万が参考になる
- LINEは国内MAU **9,800万(2025年3月末時点)**と公式資料で明記
- 比較は「同じ物差し」で行い、結論は“自社の勝ち筋(導線設計)”に落とすのが実務的